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医療訴訟記事から

 今日のさきがけ新聞にも掲載されていた医療訴訟だがこの判決内容は今後ともかなり難しい問題を抱えた判例となるはず。

 各紙の記事に依れば事の始まりは仙北市で2002年に男性はオートバイで走行中、普通乗用車と衝突して負傷。田沢湖病院に搬送した後に岩手医科大付属病院へ転送されたが、同病院に向かう救急車で心肺停止となり到着後、骨盤骨折による出血性ショックで同日夕に死亡した。
 
 最初に搬送された病院の診断ミスで高度治療が可能な病院への転送が遅くなったのが原因として、遺族が病院設置者の仙北市や担当医を相手に計約1億4000万円余りの損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決であって、仙台高裁秋田支部は28日、請求を棄却した一審秋田地裁判決を覆して、仙北市と担当医に計約2600万円の支払いを命じる判決を出した。
 
 裁判長は、担当医は男性が腰に痛みがあると訴えていたのに、視診や触診などの必要な診察をせず骨盤骨折の発見が遅れたと認定。早期に適切な治療ができる高次医療機関に搬送する決断をすべきだったとし、適切な診断と男性の転送ができていれば救命できた可能性が高いとした。
 
 当時の田沢湖病院の救急医療は病院とは名ばかりでスタッフも不足し、検査機器も十分でない病院であっただろうと推測されます。その後の、06年には医師不足のため急患の受け入れは、中止されているのだ。
亡くなった方や遺族には悲しく、虚しさだけが残る残念な事だが、こんなレベルの片田舎の小さな病院に完璧な救急治療(基本的な処置を施さなかった言えばそれまでだが・・・)を求める方が無理でなかろうか。

 最も恐れることは今回の判決に依って今後、似た様な重症事故が起きた時に訴えられるのを恐れてドクターサイドから「当方では手に負えないから他の病院を当たってくれ!」と言われる事が次々と起きないとも限らないのだ。
by titeki-oota | 2012-03-29 16:02 | Comments(0)

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by タケちゃん