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YS-11

YS-11 _c0104793_17171930.jpgYS-11戦後唯一の国産旅客機として1966年ころより運用開始され、1973年まで生産が続きました。40年間も国内外の空を飛んでいた名機が国内線ではいよいよ退役を迎えます。日本では日本航空系のJACが鹿児島や伊丹、福岡周辺で運行していて、9月30日が涙のラストフライトです。できれば予約したいが・・・・全然無理でした。

 日本の飛行機といえば、ゼロ戦に代表される戦時中のプロペラ機を思い出しますが、戦後しばらくは航空機生産は制限されていた。戦後も終わり、初の航空機開発ということで民間共同事業としてこのYS-11は企画され以前NHKのプロジェクトXにもその開発の苦労話が放送されました。この計画を推進するために理解を求めようと、人間が入れる実物大のYS-11のモックアップ(模型)を作り、展示公開して世論の理解と予算の獲得を得たなどの裏話は、戦後の日本が復興と高度成長を遂げていく中での逸話として感動的です。そうして開発されたYS-11も売り込みに難儀して、通産で180機程度が生産されただけでした。赤字続きの製造会社は国会の追及を受け、生産中止と会社清算を決定し、日本の航空機産業はうまく立ち上がりませんでした。現在、ホンダや三菱重工が民間用ジェット機を計画していますが、ずいぶんとここまでくるのに時間がかかってしまった.


 そのYS-11の最大の特徴は頑丈なことです。現在JACで使用しているYS-11の機材はメンテナンスが優秀なこともあり、飛行時間、フライト回数とも世界の飛行機の中で一番で、世界に誇ることのできる耐久性のある優秀な飛行機です。生産中止からすでに33年も経過していることを考えると、引退もやむをえないと思いますが、なんとも残念です。自衛隊ではまだ現役で使用するし、海外の航空会社ではまだ使っているところもあるみたいです。

 ではなぜYS-11はこの時期に引退することになったのでしょうか?30年以上使用している飛行機だから引退は当たり前、という感じもしますが、耐久性の面ではまだまだ飛行はできるそうなのです。理由は最新鋭の衝突防止装置を積んでいない事。YS-11が飛行している空域は比較的混雑の少ないエリアではありますが、民間機以外にも自衛隊機、米軍機と日本の空にはいろいろな飛行機が飛んでいることを考えると、仕方がないかもしれません。この最新鋭の衝突防止装置をつけるには1機1億円かかるそうで、今からYS-11につけても大赤字になるのは避けられません。ということで義務化の流れには避けられず、今年の退役となりました。

 こんな歴史をもつYS-11、1年くらい前から、最後のYS-11はさよなら塗装バージョンとなっていて、ありがとう、YS-11とかなんとかの言葉が塗装されています。
YS―11のラストフライトとなる、30日午後の日本エアコミューター(JAC)沖永良部―鹿児島便は、チケットは発売開始1分で完売し、キャンセル待ちは500人に達する。

by titeki-oota | 2006-09-29 17:16 | 雑記帳 | Comments(0)

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by タケちゃん