弘前市・長勝寺
2007年 10月 21日
長勝寺は津軽藩主津軽家の菩提寺として建立された曹洞宗寺院で伽藍内には、本堂、御影堂、津軽家霊屋など津軽家ゆかりの文化財が多く残ります。
平成15年度より半解体修理を実施中で、工事完成は 平成20年の予定。
国の重要文化財の長勝寺本堂は、建立当初の姿である「こけら葺(ぶ)き」屋根など保存修現場の特別公開であって近場での見学は今回を逃せば中々機会がない。今回の公開は、文化庁が本年度から始めた「文化財建造物保存修理公開・展示事業」の全国第一号。
同事業は、文化財の保存修理に使われる資材や優れた技術に理解を深めてもらうのが狙いで本年度は全国に約百カ所ある保存修復中の国宝・国重文から、長勝寺を含む五カ所を公開している。
修復が行われている長勝寺本堂は膨大な量の薄い青森ヒバの木片を美しく重ねた「こけら葺き」の屋根を間近に見て、屋根の曲線美と職人の技に感嘆です。1日で1人の職人が葺ける面積は1坪くらいで竹釘を口中に30本くらい含ませて素早くリズム良くパンパンと打ち込んで行く。
山門近くのテント内では、長い柄が特徴的な昔ながらの道具「やりがんな」「チョウナ」や「こけら葺き」など、職人による建立当時の技術の実演、体験も行なわれていた。
こけら葺きに使用される下北産の青森ヒバ材は割って加工されて総枚数にすると何と!15万枚になるそうで金額的にも新築の家が2棟も建つそうだ。
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道具箱に入っている竹釘、手前の特殊な金づちで体験で実際に竹釘を打ち込んできました。
釿(チョウナ)は割り板の面を粗く整える為に使用する道具で現在では宮大工だけが使用している。
鑓鉋(やりがんな)は釿(チョウナ)でできた刃幅の堺の凸凹を平滑にする道具。
解体前に実際に使用されていた「かすがい」と(子はかすがい)はこの木材を結合させる金物から来ている。和釘
青森ヒバの丸太を手作業だけ割っていく(当たり前だが電動物は一切なしで)刃物を柾目に沿って入れると面白いようにスパッスパッと伝統の職人技で3ミリ厚の葺き板が出来上がっていく。