ワクワク・ドキドキ今年の対戦は久しぶりに素晴らしい日本シリーズだった。
1試合目から2敗1分け時点で今年は駄目だと思ったけど、そこから巻き返すパワーには、人生も諦めたらいけないという教訓をもらった気がする。
26年ぶりの4連勝で日本一に輝き、昨年同じカードで敗れた中嶋聡監督が歓喜に酔いしれ、胴上げで5度宙に舞った。
対照的に画面に映し出された高津監督は本拠地で味わう屈辱の光景。中嶋監督の胴上げを、ヤクルトベンチから高津監督が見守りジッとしたままグラウンドに視線を送り続けた。
その後、チーム全員で右翼席のファンのもとへ向かうと、高津監督の目からは涙があふれた。
今年はリーグ優勝でも涙を流さなかった指揮官。ファンの前でこみ上げる悔しさを抑えきれず、何度も目頭をぬぐった。その後は敵軍のベンチ前へ歩み寄り、中嶋監督と握手した。
ベンチ裏の取材では再び、涙が止まらず。「やっぱり悔しいね」と声を震わせ、「オリックスは、彼らは去年こういう気分だったのかなと。この悔しさは忘れてはいけないと思いました」と語った。