Q-1 老人福祉施設建設現場 「日射遮へい対策」
2015年 12月 25日
現在建築中の施設は、冬の日射取得と夏の日射遮へい対策も施しております。
庇や軒など、窓の上部に固定されているものは、取り付ける方位や窓との位置関係が重要です。
単純にいうと、いかにして夏の直射日光を室内に入れないようにするか、熱の侵入は、窓からがほとんど。
その他では外付けブラインドとか、ヨシズ、グリーンカーテンとか色んな方法があるが、まずは軒先の出で対応するのが基本で、更に軒先を大きめに出す事で外壁の雨だれによる汚れも発生しにくくなります。
窓からの日射侵入率を低くするには、
1.どんな種類の窓ガラスを選ぶのか
2.カーテンか外付けブランドか、どんな遮蔽部材を選ぶのか
3.庇や軒をどうするか
この3点で決まるようです。
庇や軒は、夏期の太陽高度を考慮すると、南東~南~南西の範囲で有効な日除け効果がありますが、東西面ではあまり効果は無い。
庇の出の長さと位置関係も重要であり、庇の出の長さは窓の下端から、庇の付け根下側までの高さのⅡ地域で単純な計算方法として0.4倍、Ⅲ~Ⅴ地域なら0.3倍が効果的な遮熱対策となります。
今回の現場の南面の窓の高さは1100mmの腰高窓です。窓下端と庇等との高低差は B=2250mm、日射遮蔽に有効な庇等の長さの0.4倍なら900mm以上あればOK!となるが、軒先(庇など)の出幅は A=830mmなので日射遮へいには若干足りない。
但し、「日よけ効果係数算出ツール」で出力したら
http://shading.app.lowenergy.jp/
出幅は819mmと出たので、こちらのソフトではOK!です。夏場の南中高度に対してちょうど良く日射を防ぐことが出来ます。
ただし、庇による日射遮へいも敷地の方位などにより限界があるため、その他の日射遮へいを考えておく必要もあるようです。
建ぺい率がギリギリな為に軒の出は1メートル以内としました。
法的に庇先から1m以上の部分は建築面積に参入されますから、そしてグレー色で張られた軒天井ボードは12mm厚品で準防火仕様。
軒先を大きく伸ばす事に依っての注意点は垂木材に可なりの負担が掛かってしまいます。特に昨冬は記録的な大雪によって軒先を折られる被害が県北で多発しました。
写真のように垂木はツーバイ材でも特に大きな2×12物なので強度面では何ら心配することも無く、シーズン中の雪下ろしは一切、必要ありません。